口臭は、鼻炎が原因であることで発生することがあります。
慢性的な鼻炎や副鼻腔炎があると、鼻水がのどに流れる後鼻漏という症状が起こります。
後鼻漏によってのどに溜まった鼻水は、時間が経つと粘り気を帯びて、一緒に臭いを放つようになり、口臭の原因となる。
また、鼻水をのどや鼻腔に溜めたままにしておくと、細菌の繁殖により炎症を起こしやすくなります。
この炎症によって発せられた臭いが口から放出され、口臭となるのです。
また、鼻炎になりやすい人は、日頃から鼻を詰まらせたままにしていることが多く、気づかないうちに鼻呼吸ではなく口呼吸になっていることがあります。
口呼吸も口臭の大きな原因です。
口呼吸を続けることで、口の中が乾燥してしまうのです。
唾液には口腔内を衛生的に保護する機能がありますが、口の中が乾燥してしまうと、その役割を十分に果たすことができません。
また、唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすい口腔内環境になります。
口呼吸によって唾液が減ると、口の中の不要な汚れをうまく取り除くことができず、口の中の細菌が増え、その臭いが原因で口臭が発生するのです。
鼻炎による口臭を防ぐには、耳鼻咽喉科で治療を受けることが必要です。
鼻炎の治療に使われる抗ヒスタミン剤には副作用があり、場合によっては口の渇きや眠気を伴うこともあります。
抗ヒスタミン剤の副作用として唾液の分泌量が減少し、口臭が気になる場合は、医師に相談し、薬の飲み方を変えるなどの対策が必要です。
タバコを吸っている本人は気づかなくても、吸っていない人には嫌な臭いになっている場合があります。
さらに、喫煙時のタバコの煙の臭いに加え、口臭の原因にもなるため、タバコを不快に感じる人もいるでしょう。
タバコを吸うとタールなどが舌に付着し、それが口の中で唾液と混ざり合ってタバコ特有の臭いが発生します。
しかし、タバコの臭いは時間が経つと、唾液の自浄作用によって消えていきます。
したがって、ひっきりなしにタバコを吸うヘビースモーカーでない限り、タバコの臭いはしばらくすると消えてしまいます。
さらに重要なのは、タバコには唾液の分泌量を減少させる作用があることです。
喫煙によって口腔内の唾液分泌能力が低下すると、歯に歯垢がついたままになり、歯ぐきへの血行にもよくありません。
歯ぐきへの血行が阻害されると、歯周病のリスクが高まることが知られています。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べて5倍も歯周病になりやすいと言われています。
歯周病は口臭を引き起こすという悪循環に陥るため、タバコと口臭は深く関係しているのです。
タバコが原因の口臭は、禁煙することが一番の解決策です。
しかし、なかなか禁煙できない方も多いのではないでしょうか。
タバコが原因の口臭をできるだけ防ぐには、喫煙回数を減らす、就寝前の歯磨きを丁寧に行う、緑茶を口に含んでうがいをするなどの対策が効果的でしょう。